2020年11月22日〜23日,日本活断層学会2020年度秋季学術大会がオンライン形式で開催されました(主催:日本活断層学会).
2020年度秋大会は富山県での開催予定で準備がなされておりましたが、新型コロナウイルスに対する感染拡大防止の観点からオンライン形式に変更されました。 今回の大会では約100名の参加者があり,8件の口頭発表,10件のポスター発表がありました.
当講座からは遠田教授と𠮷見助手が研究発表を行いました.
遠田晋次、鳥井真之、小俣雅志、三五大輔、石澤尭史:日奈久断層北端部で確認された熊本地震の余効すべり,日本活断層学会2020年度秋季学術大会,O-6,2020年11月22日.
𠮷見瑤子・遠田晋次:平成28年(2016年)熊本地震における建物被害と地表地震断層分布の関係について,日本活断層学会2020年度秋季学術大会,P-8,2020年11月23日.
今大会の表彰においては,活断層研究51号に掲載の「熊本地震地表地震断層の阿蘇カルデラ内の完新世活動履歴 -南阿蘇村黒川地区トレンチ調査-」(遠田晋次・鳥井真之・奥野充・今野明咲香・小野大輝・高橋直也)が論文賞を受賞しました. また,今大会の𠮷見助手の研究発表は大会終了後の選考により若手優秀講演賞を受賞しました.
遠田教授らの研究は当講座ですすめている2016年熊本地震の地表地震断層近傍の強震動の特性やそれに伴う被害の分析と,それらの成果を将来予測へ繋げるための研究に重要な情報を与えるものです. 吉見助手らの研究は当講座における研究成果の一部であり,現在公表されている熊本地震の建物被害を対象とした研究から被害の要因を抽出し,地表地震断層と建物被害の被害の関係性を取りまとめたものであり,地表地震断層や活断層等の地質情報が地震被害予測に重要な情報となり得ることを示した研究です.
今後も当講座では地質・地形情報と地震工学的な分析・解析技術の活用を検討することにより,断層近傍地域の強震動予測および被害予測の精度向上に貢献する研究をすすめていく予定です.