2016年4月14日に熊本県および大分県周辺で発生し,最大震度7を観測した熊本地震の震源断層であると考えられる布田川断層帯の北端延長部の阿蘇カルデラ内で発見された大規模露頭の調査を行いました。
8月下旬に約1週間の日程で当講座と熊本大学,応用地質(株)で旧東海大学阿蘇キャンパス付近の県道工事現場およびミュージアムの建設現場での調査を実施し断層の観察とスケッチを作成しました.
調査は位置情報と紐づけ可能なネットワーク型の測量手法を用いて実施し,露頭写真の撮影を行いました.
その上で露頭の観察を行い,1/100スケールのスケッチの作成を行いました.
この調査により,約3万年前の阿蘇山の噴火による姶良丹沢火山灰や約7300年前の噴火による鬼界アカホヤ火山灰の堆積が確認され,それらの地層の中に過去の地震による断層と見られる構造が見られました.
このような断層の調査を行うことで過去の地震イベントの回数や年代を知ることができる可能性があり,熊本地震の断層との関連性を含め,研究をすすめていく予定です.